醸界通信2025年4月16日第2625号(TOPICS)


3月のビール類販売数量 値上げ前の駆け込みで36%増

 ビール4社3月のビール類販売数量は4月からの価格改定を前にした駆け込み需要で36%の大幅増となった。業務用の瓶・樽は25%、家庭用缶商品も39%、それぞれ前年同月を大きく上回った。カテゴリー別でもビール32%、発泡酒35%、RTD44%と前年を大きく上回った。

 

 アサヒビールは3月のビール類販売金額が前年比137%、1月からの累計でも同113%。3月の「スーパードライ」計(「ドライクリスタル」を含む)の販売数量は同142%、累計でも116%。容器別の前年対比は樽128%、瓶128%、缶153%。値上げ前のまとめ買いに対応した「景品付きおトクカートン」の展開も寄与した。3月の「スタイルフリー」は同142%、「クリアアサヒ」は同134%。RTDの3月の売上金額は同191%。「GINON」の好調に加え、3月11日から首都圏、関信越、東海、北陸、近畿エリアで発売した「未来のレモンサワー」も寄与した。アルコールテイスト飲料(微アルコールを含む)の売上金額は同153%。「ドライゼロ」の販売数量は同150%。

 

 キリンビールは3月のビール類販売金額が前年比130%の大幅増で、累計でも110%の2ケタ増。「一番搾り」ブランド計は販売数量が同140%、累計でも同113%。「一番搾り」は3月148%、累計119%。3月・・・


サントリー自販機キャッシュレスサービス 「ジハンピ」を全国展開年内15万台の導入を目指す

サントリービバレッジソリューション㈱は、自販機事業でのキャッシュレス化に向けて、2025年3月から、独自開発した自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」対応自販機の全国展開を開始した。

 同サービスは2024年12月から北海道エリアで先行展開し、利用者や設置先から好評を得ており、同社では「ジハンピ」によるキャッシュレス化の推進を自販機事業の柱と位置づけ、25年中に15万台の導入を目指す。

 

 「ジハンピ」はアプリを起動して、ピッとタッチするだけで商品が買える自販機のキャッシュレスアプリ。①商品を選択して「ジハンピ」アプリを起動して、自販機にスマホを〝ピッ!〟とタッチするだけ。②名前、年齢、メールアドレスなどの情報登録は不要で、SMS認証、支払い方法連携だけで、最短60秒で購入できる。また、支払い方法を連携すると、毎回の支払い方法の選択も不要になる。③PayPayやクレジットカードをはじめ13種類のマネーをジハンピアプリに連携できるので、いつも使っているマネーで支払いできる。また、楽天ポイントなど5種類のポイントも連携でき、余っているポイントを使って飲み物を購入したり、ポイントを貯めたりすることができる。

 

 現在の国内の飲料自販機のキャッシュレス対応比率は、約4割と推定され、キャッシュレスが普及しているコンビニなどと比較しても大きく遅れており、同社の調査では「財布を持ち歩いていなかった」「小銭を増やしたくない」などの理由から、自販機のキャッシュレス決済が使えずに飲料の購入を諦めた経験のある人が約3割あり、自販機のキャッシュレス・・・


宝HDが持続的成長目指し SBIグループの投資事業中核的企業に出資参加

宝ホールディングス㈱は、3月28日の取締役会で、SBIホールディングス㈱(東京・北尾吉孝社長)の連結子会社で、ベンチャーキャピタルファンドの運用・管理を行うSBIインベストメント㈱(同・同)が運営するベンチャーファンド「SBI Venture Fund2023 投資事業有限責任組合」(ファンド総額1000億円)への出資(10億円)を決定した。

 

 今回の出資により、長期的な視点での新たな事業シーズや既存事業に新たな価値を創出する情報を獲得し、同社グループの持続的な成長促進を図る。2024年10月には、新規事業を社員参加型で開発するプログラム「starTreasure(スタートレジャー)」を導入し、新規事業創出に向けた取り組みを開始しており、これらによって新たなソリューションの・・・


「クラフトボス」新シリーズ “世界のTEA”4品を発表

 サントリー食品インターナショナルは、「クラフトボス」の新シリーズ、「クラフトボス 世界のTEA」4品(600㎖)を発売する。「クラフトボス フルーツティーエード ピーチ&マンゴー」(税別希望小売価格180円)「同 ティーレモネード with クールライム」(同)を3月18日に発売し、「同 ブルー セイロンティー無糖」(同170円)、「同 贅沢ミルクティー」(同185円)を4月15日に発売した。

 「クラフトボス」は、すっきりとした味わいとスタイリッシュなボトルデザインで、世代・職種を超えた幅広いお客様に愛飲されている。発売以降、抽出方法やブレンド技術を駆使した繊細な味作りなど、モノ作りにこだわった新たな嗜好飲料を提案し続け、コーヒーに留まらず紅茶や抹茶ラテなど、働き方の多様化や嗜好の変化を捉えた提案を行い、市場を牽引してきた。

 

 今回の「クラフトボス 世界のTEA」シリーズは、様々な国や地域のティー文化に着想を得た、自由な発想のアレンジティー。

 

 ▽「クラフトボス フルーツティーエード ピーチ&マンゴー」=ブレンド素材にスリランカ産ディンブラ茶葉、ケニア産ケニア茶葉、中国・武夷山市産烏龍茶、桃果汁、白桃ピューレエキス、マンゴー果汁、りんご果汁を使用。暑い台湾のドリンクスタンドで親しまれているフルーツティーをヒントに、ピーチ&マンゴーの濃厚な味わいに、華・・・


サントリーなど5社が協働 「水のサステナビリティ」で連携

 MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス㈱(取締役社長 グループCEO 舩曳真一郎氏)、栗田工業㈱(代表取締役社長 江尻裕彦氏)、サントリーホールディングス㈱(代表取締役社長 鳥井信宏氏)、日本コカ・コーラ㈱(代表取締役社長 ムラット・オズゲル氏)、八千代エンジニヤリング㈱(代表取締役社長執行役員 高橋 努氏)の5社は、Alliance for Water Stewardship(AWS)と協働し、3月5日から、ワーキンググループとして「ジャパン・ウォータースチュワードシップ(以下、JWS)」を始動した。

 

 昨今、日本では、水インフラの老朽化による災害や水道料金の高騰、担い手不足による水源涵養林の荒廃など様々な水課題が顕在化している。また農作物の輸入でも世界各地で頻発している干ばつや豪雨が農作物の収量に影響を与え、原材料価格高騰の一因となっている。こうした課題に取り組むため、企業が連携して水問題に取り組むことがますます重要になっており、JWSの始動は日本における水資源保全の取り組みをグローバル水準に押し上げる重要な一歩となる。

 

 JWSでは、スコットランドにあるAWS本部と連携、日本国内に拠点を置く企業に対して「流域での責任ある水資源管理」を促進するとともに、企業が業界を越えて協働して流域の水資源保全に取り組む環境を整備し、国内外の流域で顕在化する水リスク対応への影響力を高めていく。具体的には、研修等の日本語プログラム提供、企業間のネットワーキング、流域やサプライチェーンにおける協働活動、行政機関との連携等を推進していく。AWSでは2025年から、日本をウ・・・


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醸界通信2025年3月19日第2623号(TOPICS)


国税庁令和5年度清酒製造状況調査 清酒製造場数は前年度比24場 特定名称酒の製造場数は減少傾向

 国税庁は、清酒の製造免許を有する酒類製造者を対象に、令和5酒造年度分(令和5年7月1日~令和6年6月30日)「清酒の製造状況について」のレポートを公表した。

 

 清酒を製造した場数は近年、減少傾向にあるが、一方で製造場数のうち、特定名称以外の清酒(以下、「一般酒」)を製造した場数は令和3酒造年度から増加している。

 清酒全体の製造数量および製造数量全体に占める特定名称酒の割合(構成比)は近年、横ばいで推移している。

 

 原料米については、平均精米歩合は近年減少傾向にある。

 

 同調査は、個々の清酒製造業者の清酒製造状況を分析し、各国税局鑑定官室の諸施策に活用することにより清酒の品質の確保に資するとともに、日本国内における清酒の製造および製造に関連する事項の実態を把握した上で、国税庁の行う各種の施策を通じて、清酒製造業の発達改善に資することを目的としている。

 

 今回の調査では、調査対象場数(蔵置場を含む)1718場のうち回答場数は1534場(回答率89.3%)で、令和4酒造・・・


サントリーHD24年12月期 売上利益・営業利益が過去最高に 飲料・食品売上収益が6.9%増

 サントリーホールディングス㈱は2月14日、決算説明会を開催、新浪剛史社長は冒頭、4月13日に開幕を迎える大阪・関西万博について、「サントリーグループは創業の地である大阪を盛り上げたいという思い、そして「いのち輝く未来社会のデザイン」という万博のテーマへの共感から、最上位のスポンサーであるプラチナパートナーとして参画する。世界の分断が進む今、万博という融和や調和の場を日本から発信できることにも大きな意義を感じており、国内はもちろん、世界中から多くの方に訪れていただきたいと考えている」と語った。

 

 2024年の業績について同社長は「世界的なコスト高やインフレが継続する中、各国で景気が停滞し、多くのエリア・事業で市況や競争環境が悪化する厳しい1年となったが、サントリーグループはグローバルな食品酒類総合企業としての強みを発揮し、通期の経営成績は売上収益・営業利益ともに過去最高を達成した」と説明。

 

 2024年12月期の売上収益は酒税込み・・・


ビール製造のボイラ用燃料の一部水素由来転換へ実証事業 キリンなど6社が千歳工場で

 キリンビール㈱、三菱商事㈱、三菱商事クリーンエナジー㈱が出資・運営する、MCKBエネルギーサービス㈱(以下、MCKB)、高砂熱学工業㈱、三浦工業㈱は、キリンビール北海道千歳工場で使用する蒸気ボイラ用燃料の一部を化石燃料由来からグリーン水素由来に転換し、ビール製造工程にグリーン水素由来蒸気を活用する実証事業(以下、同実証)を、2026年6月から開始する予定。

 

 ビール製造では、麦汁煮沸などの加温工程で大量の蒸気を使用する。同実証では、蒸気を製造するボイラ用燃料の一部を都市ガスからグリーン水素に切り替える。これにより、年間で最大約23%の熱需要を水素に代替し、年間約464トンのGHG排出量を削減できる見込み。

 

 三菱商事は、水素供給に関する商務面および事業組成の取りまとめを、高砂熱学工業は水素製造装置の納品・設置、太陽光発電・水素供給設備の設計・施工、竣工後の水素設備保守業務等を、合同会社MTグリーンエネルギー(三菱商事と高砂熱学の出資による合同会社)は、水素製造設備を運転・維持管理し、水素の製造・供給を、MCKBは三浦工業製の水素燃料ボイラを活用した水素由来蒸気・・・


ジン市場の創造・拡大へ大阪工場に55億円を投資 サントリーが「ジン」戦略説明会

 サントリー㈱は2月18日、「サントリージン」戦略説明会を開催、執行役員・スピリッツ本部長の塚原大輔氏は、ジン市場はここ10年で大きく成長し2兆円規模となったグローバル市場、ここ5年で大きく成長した国内市場を背景に「2025年の販売計画を『ROKU〈六〉』ブランド計4万ケース(8.4L換算)、前年比143%、『翠』ブランド計117万8000ケース、同123%とし、2030年の国内市場を450億円と推計、サントリーはその8割、345億円を目指す」と語った。

 

 同本部長は「サントリーは1936年の『ヘルメスドライジン』の発売以来、日本におけるジンカテゴリーの価値創造に取り組んできた。『ジン』は自然素材の酒、自由で感性の酒、すっきり清々しい味わい・香り、で人を引き付け、最近では若年層ほど飲用率が高まっており、サントリーではものづくりの原点に立ち返り『ROKU〈六〉』『翠(SUI)』のマーケティングを強化、サントリージンの重要な生産拠点の大阪工場では生産能力増強と『美味品質』向上に向けて55億円の設備投資を実施、新たに『サントリー大・・・


清酒の一部商品を値上げ 福徳長酒類が6月2日出荷分から

 オエノングループの福徳長酒類㈱は、清酒の一部商品の販売価格を2025年6月2日出荷分から値上げする。

 同社では2022年10月以降、清酒の価格改定を実施しているが、昨今の原料米価格の急激な高騰のほか、エネルギー価格、容器包装品の資材価格、物流費などあらゆるコストの上昇が今後も継続するものと見られ、同社では固定費をはじめとした経費削減などの企業努力を重ねてきたが、それだけではコスト上昇を吸収するのは困難となったため。

 

 対象商品は、清酒「すーっと飲めてやさしいお酒 純米吟醸酒」など2アイテム、「同 純米酒」など3アイテム。参考小売価格は8.8~13.4%程度の値上げとなる。

 

 オエノングループの合同酒精は2月25日から、香り薫る、まろやかブレンドウイスキー「香薫」シリーズに「香薫ハイボール」500㎖サイズを、スペイン産ワイン「ルアナ オーガニック」2品を発売した。

 ▽「香薫ハイボール」(7% 税別参考小売価格218円)=は、飲み飽きせず食事に合わせやすい味わいと、樽由・・・


サントリーHDなど6組織産学金協働で水循環保全イベント 「熊本ウォーターポジティブアクション」

 公立大学法人 熊本県立大学、国立大学法人 熊本大学と、㈱肥後銀行、サントリーホールディングス㈱、㈱日本政策投資銀行、MS&ADインシュアランスグループ ホールディングス㈱の6組織は、産学金協働の「熊本ウォーターポジティブ・アクション」を始動する。

 

 同アクションは、地下水保全に取り組んできた実績に基づき、6組織が協働で、金融的手法を活用して、熊本地域での「グリーンインフラ」(自然環境が持つ多様な機能で自然災害や地球温暖化等の社会課題を解決し、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める考え方や取り組み)導入による水循環保全のメカニズムを推進するもの。6組織だけでなく、多くの主体が参加できる仕組みを構築する。この取り組みを通じて健全な水循環を維持し、豊かな市民生活と地域経済を支える「水の国くまもと」のさらなる発展をめざす。

 

 水と緑に恵まれた豊かな熊本地域では、これまで市民・行政・企業の協力による、地下水の保全と活用に関する取り組みが長らく続けられてきた。同取り組みは世界的にも評価されており、2013年には国連「生命の水」(水管理部門)最優秀賞を受賞している。

 

 一方、近年では大規模な都市開発や工場進出に伴う田畑等の土地改変による地下水涵養量の減少や水災リスクの高まりなどが懸念されており、水循環の保全(ウォーターポジティブ)とそれを支える自然環境・・・


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